Googleアカウントを作ると15GBまでなら無料で利用できるGoogleドライブに保存したファイルやフォルダを、共有する方法を説明します。
Googleドライブを利用した共有では、インターネットを介して、複数人で同時に編集することができます。
【目次】
1.はじめに
2.Googleアカウントとファイルの共有
3.共有の設定方法:概要
4.自分が共有を設定したファイルとフォルダ
5.誰かが共有してくれたファイルとフォルダ:[共有アイテム]フォルダ
6.共有の種類
6.1.編集者
6.2.オーナー
6.3.閲覧者
6.4.共有の例
例1:(オーナーではない)編集者が閲覧者(コメント可)の共有設定を行う
例2:オーナー、編集者、閲覧者(コメント可)それぞれが共有ファイルを開く
例3:オーナー、編集者、閲覧者(コメント可)それぞれが共有ファイルの内容を変える
6.5.1つのファイルを共有して同時に編集できる人数
7.フォルダの共有
8.最後に
1.はじめに
一般に、会社などの、それなりに大きな組織内でファイルを共有するには、社内ネットワークシステムなどの専用のシステムが組まれ、組織独自のルールと運営方法で、個々のメンバーが作ったファイルやフォルダを共有します。
一方、自治会やPTA、個人で小さな事業を立ち上げた直後などでは、ネットワークシステムなどにお金も時間も人もほとんど割り当てられないことは、想像に難くありません。
それでも、2人以上で作業をするとき、ファイルを共有できる仕組みがあれば、メンバー間の作業効率は間違いなく上がるでしょう。
そんなとき、Googleドライブの共有機能を使えば、お金をかけずに、メンバー間でファイルをすぐに共有し始めることができます。
2.Googleアカウントとファイルの共有
<GoogleアカウントとGoogleドライブ>Googleにメールアドレスを登録すると、そのメールアドレスはGoogleアカウントと呼ばれます。
Googleアカウントを1つ作ると、Googleはインターネット上にそのGoogleアカウントが無料で15GBまで利用できる記憶領域を割り当ててくれます。
ファイルを作るGoogleのアプリを起動しようとすると、必ず、ユーザーは、Googleアカウントでログインすることを要求されます。
ファイルを作成するGoogleのアプリを起動した直後から終了するまで、GoogleのアプリはそのGoogleアカウントの記憶領域に、作成途中の内容を、ファイルに随時自動で保存する仕組みになっています。
驚くことに、Googleのアプリには、明示的にユーザーが保存を指示できる命令がありません。
Googleドライブは、この記憶領域自体の総称であり、また、この記憶領域を管理するGoogleのアプリの名前でもあります。
Googleのアプリで作るファイルに、共有を設定するには、Googleドライブから行う方法と、ファイルを作るGoogleのアプリの中から行う方法があります。
今回は、より一般的なGoogleドライブからファイルやフォルダを共有する方法を説明します。
なお、Googleアカウントの作成方法とログイン方法は、ブログ記事「Googleアカウントを持つ意味と作成方法とログイン方法」をご参照ください。
<Googleドライブのファイル管理の仕組み>Googleドライブは、フォルダと呼ばれる特別なファイルを作成し、ドライブに置くことができます。
フォルダは、ファイルやフォルダなどを直接管理する特殊なファイルで、自身が直接管理するファイルとフォルダの名称などの情報をリストに持ちます。
1つのフォルダは、0個から複数個のファイルとフォルダを直接管理します。
最初に1つフォルダがあれば、その下にいくつかフォルダを作り、そのまた下にいくつかフォルダを作り・・・と、フォルダを軸にして、階層的にファイルを管理する構造を作ることができます。
Googleドライブの、そのGoogleアカウントのユーザーが自分で作るファイルを保存するために使う、最初に用意されているフォルダは、[マイドライブ]フォルダです。
<共有できるファイルやフォルダの種類>
Googleドライブには、どんな種類のファイルでも保存することができます。
Googleドライブで共有するファイルは、どんな種類のファイルも共有できるようではありますが、基本的に、ファイルの共有によって共同で作業をする対象となるのは、Googleドキュメントで作ったワープロファイル、Googleスプレッドシートで作った表やグラフのファイル、Googleスライドで作ったプレゼンテーションのファイル、Googleフォームのファイルなどです。
<共有されたファイルやフォルダ:[共有アイテム]フォルダ>誰か(あるGoogleアカウント)が、自分(ログインして作業中のGoogleアカウント)にファイルやフォルダを共有してくれたら、そのファイルやフォルダは、[共有アイテム]フォルダからアクセスできます。
3.共有の設定方法:概要
自分の[マイドライブ]フォルダ以下にあるファイルを、Googleドライブで共有にする一般的な手順は、次の通りです。
共有を相手に通知せずに設定するには、以下の➀~➅の順に、共有を相手にメールで通知することも含めて設定するには、以下の➀~➄、⑦の順に行います。
今回は、説明の例として、鈴木一男さん(Googleアカウントのメールアドレスbbb×××@××××.××)の[マイドライブ]フォルダの下にある、Googleドキュメントの「鈴木のファイル1」ファイルを、佐藤睦月さん(Googleアカウントのメールアドレスaaa×××@××××.××)に編集者として共有を許可する例を見ていきます。
<➀Googleドライブで、共有にしたいファイルがあるフォルダを表示>鈴木さんのGoogleドライブで、「鈴木のファイル1」ファイルがある[マイドライブ]ファイルを表示します。
なお、フォルダ間の移動や、フォルダの下にあるファイルやフォルダ一覧の表示方法などは、ブログ記事「ファイルの管理:フォルダを作る:Googleドライブのフォルダ操作」 をご参照ください。
<➂表示されたリストの中の[共有]をクリック>
[ユーザーやグループと共有]ウィンドウが表示されます。
<➃[ユーザーやグループを追加]欄で、共有したい人のメールアドレスを入力>
Googleアカウントとして登録済みのメールアドレスであれば、共有の種類は全種類選択が可能になります。
<➄➃の右横の下向き三角▼をクリックし、共有の種類を次の3つから選択[編集者]、[閲覧者(コメント可)]、[閲覧者]>
<➅共有設定をメールで知らせる場合は、[通知]のチェックボックスをオンのままにし、[メッセージ]欄にメールの文章を作り、[送信]ボタンをクリック>
<⑦共有設定をメールで知らせない場合は、[通知]のチェックボックスをクリックしてオフにし、[共有]ボタンをクリック>
元のGoogleドライブの[マイドライブ]フォルダの表示に戻ります。
4.自分が共有を設定したファイルとフォルダ
Googleドライブは、デフォルトでは、ファイルやフォルダを矩形(長方形)で表示する形になっています。
画面右上の[リスト表示]をクリックして、ファイルやフォルダをリスト表示すると、共有になっているものには、共有のマークがついているのがわかります。
5.誰かが共有してくれたファイルとフォルダ:[共有アイテム]フォルダ
誰かが共有してくれたファイルとフォルダは、すべて[共有アイテム]フォルダ以下にあります。
以下は、佐藤睦月さんのGoogleドライブの[共有アイテム]フォルダです。
先ほど鈴木一男さんから共有された[鈴木のファイル1]ファイルがあるのが確認できます。
共有の権限を確認してみます
[鈴木のファイル1]ファイルの上で右クリックし、
表示されたリストから[共有]をクリックして選択して、
共有状況を表示してみます。
佐藤睦月(自分)の共有の権限が[編集者]になっていることが確認できました。
[完了]をクリックして、閉じます。
黙って、共有してくれたファイルは、ここにあることで、共有されたことがわかります。 通常は、共有を設定と同時にを明示的に相手に知らせたいので、3.共有の設定方法:概要の⑦の、共有設定と同時にメールでメッセージを送信する方法を使います。6.共有の種類
共有の種類は、次の4種類です。
・編集者
・オーナー
・閲覧者
・閲覧者(コメント可)
6.1.編集者
編集者は、次の権限を持ちます。
・ファイルの修正
・閲覧者(コメント可)からの提案の承認/拒否
・他のユーザーの共有の追加
ただし、編集者はファイルの削除を行う権利がありません。
なお、Googleアカウントではないメールアドレスに編集者で共有を行った場合、そのメールアドレスがGoogleアカウントに登録されるまでは、実質的にそのメールアドレスからは閲覧のみが可能となります。
そして、その閲覧は、Googleにログインなしで行われるので、その共有ファイルは、URLを知った誰もが閲覧できるファイルです。
さらに、編集者で共有されたGoogleアカウントではないメールアドレスをGoogleアカウントに登録すれば、編集が可能になります。
6.2.オーナー
オーナーとは、日本語で直訳すると所有者ということで、最初は、そのファイルを作った本人がオーナーです。
オーナーは、編集者と同じ権限を持つのと同時に、さらに、以下の2つの権限を持ちます。
・オーナーを他のユーザーに譲る権限
(ただし、一度オーナー譲ると、自分で取り戻すことはできない)
・共有にしたファイルの削除
6.3.閲覧者
閲覧者は、ファイルの中身を見ることができますが、編集はできません。
閲覧者(コメント可)は、閲覧を行うことやコメントを付けること、および、修正などの提案を行うことができますが、操作がすぐに反映される編集はできません。
6.4.共有の例
先ほどまでの例の、鈴木一男さんのGoogleドライブの[マイドライブ]フォルダの下の[鈴木のファイル1]ファイルの共有と、編集を、以下の3人で行っていきます。
・オーナー:鈴木一男さん (共有設定済)
・編集者:佐藤睦月さん (共有設定済)
・閲覧者(コメント可):高橋優子さん
例1:(オーナーではない)編集者が閲覧者(コメント可)の共有設定を行う
・閲覧者(コメント可):高橋優子さん
の共有設定がまだ済んでいません。
この設定は、ファイルのオーナーの鈴木一男さんではなく、先ほど編集者としての共有設定が済んでいる、佐藤睦月さんにしてもらおうと思います。
佐藤睦月さんは、このファイルの閲覧者(コメント可)の権限を、以下の手順で高橋優子さんに共有します。
<➀Googleドライブで、画面左の[共有アイテム]をクリックし、[共有アイテム]フォルダを表示>佐藤睦月さんのGoogleドライブで、共有された「鈴木のファイル1」ファイルがある[共有アイテム]ファイルを表示します。
<➁共有にしたいファイルのファイル名の上で右クリック><➂表示されたリストの中の[共有]をクリック>
[ユーザーやグループと共有]ウィンドウが表示されます。
<➃[ユーザーやグループを追加]欄で、共有したい人のメールアドレスを入力>
今回は、Googleアカウントとして登録済みの、高橋優子さんのメールアドレスを入力します。
<➄➃の右横の下向き三角▼をクリックし、共有の種類を次の3つから選択[編集者]、[閲覧者(コメント可)]、[閲覧者]>
今回は[閲覧者(コメント可)]を選択します。
<➅共有設定をメールで知らせる場合は、[通知]のチェックボックスをオンのままにし、[メッセージ]欄にメールの文章を作り、[送信]ボタンをクリック>
<⑦共有設定をメールで知らせない場合は、[通知]のチェックボックスをクリックしてオフにし、[共有]ボタンをクリック>
佐藤睦月さんの、元のGoogleドライブの[マイドライブ]フォルダの表示に戻ります。
例2:オーナー、編集者、閲覧者(コメント可)それぞれが共有ファイルを開く
まず、オーナーの鈴木一男さんが、[鈴木のファイル1]ファイルを開いてみます。
鈴木一男さんのGoogleドライブの[マイドライブ]フォルダの下の[鈴木のファイル1]ファイルをダブルクリックしてます。
[鈴木のファイル1]ファイルが開きます。
編集者の佐藤睦月さんも、[鈴木のファイル1]ファイルを開いてみます。
佐藤睦月さんのGoogleドライブの[共有アイテム]フォルダの下の[鈴木のファイル1]ファイルをダブルクリックします。
[鈴木のファイル1]ファイルが開きます。
本文中の色が付いたカーソルは、現在共有している他のGoogleアカウントがこのカーソルの位置を編集中であることを表示しています。
その色が付いたカーソルにマウスカーソルをあわせると、同時に編集中のユーザーの名前を表示します。
この画面は、鈴木一男さんも編集中であることを示しています。
右上のウィンドウは、共有ファイルを開いたので、現在佐藤睦月さんのアドレスでログインしていることを警告してくれます。
右上のウィンドウは、[OK]ボタンをクリックして閉じます。
ちなみに、鈴木一男さんの画面にも、カーソルが色付きと黒の2つ表示されています。
色付きと黒のカーソルの位置が逆なのがわかります。
閲覧者(コメント可)の高橋優子さんも、[鈴木のファイル1]ファイルを開いてみます。
高橋優子さんのGoogleドライブの[共有アイテム]フォルダの下の[鈴木のファイル1]ファイルをダブルクリックします。
[鈴木のファイル1]ファイルが開きます。
本文中の色が付いたカーソルは、現在共有している他のGoogleアカウントがこのカーソルの位置を編集中であることを表示しています。
その色が付いたカーソルにマウスカーソルをあわせると、同時に編集中のユーザーの名前を表示します。
この画面は、佐藤睦月さんも編集中であることを示しています。
緑の[提案モード]は、閲覧者(コメント可)である、高橋優子さん自身のカーソルです。
閲覧者(コメント可)では、本文中に変更の提案を入れ込むことができますが、それはあくまで提案であり、提案した内容は、編集者かオーナーの承認があれば、内容に反映されます。
なお、鈴木一男さんのカーソルも表示されるはずですが、現在、高橋優子さんの[提案モード]のカーソルの下に隠れて、見えていません。
カーソルを本文の最後に置きました。
右上のウィンドウは、共有ファイルを開いたので、現在高橋優子さんのアドレスでログインしていることを警告してくれます。
右上のウィンドウは、[OK]ボタンをクリックして閉じます。
例3:オーナー、編集者、閲覧者(コメント可)それぞれが共有ファイルの内容を変える>
では、オーナーの鈴木一男さんが、文頭に「すずき」と追加し、編集者の佐藤睦月さんが現在の「・・・鈴木のファイル・・・」の「・・・の」の後ろ「ファイル・・・」の前に「さとう」と追加し、閲覧者(コメント可)の高橋優子さんが文末の句点の前に「たかはし」と追加してみます。
オーナーの鈴木一男さんが、文頭に「すずき」と追加します。
「すずき」はすぐに反映されました。
編集者の佐藤睦月さんが現在の「・・・鈴木のファイル・・・」の「・・・の」の後ろ「ファイル・・・」の前に「さとう」と追加します。
「さとう」はすぐに反映されました。
閲覧者(コメント可)の高橋優子さんが文末の句点の前に「たかはし」と追加します。
「たかはし」と高橋優子さんが入力すると、追加修正を提案した形になり、編集者とオーナーのうちの任意の一人から承認(✔)か拒否(✕)をもらうのを待つ形になります。
高橋優子さんが「たかはし」と入力した後、鈴木一男さんと佐藤睦月さんの[鈴木のファイル1]ファイルの内容は、「たかはし」の文字列が緑色の表示になっています。
鈴木一男さんの画面です。
佐藤睦月さんの画面です。
では、高橋優子さんの追加修正を、鈴木一郎さんが承認してみます。
鈴木一郎さんのGoogleドライブから立ち上げた[鈴木のファイル1]ファイルで、右のウィンドウの承認(✔)をクリックします。
承認され、文字列「たかはし」が反映されました。
佐藤睦月さんの画面です。
こちらも鈴木一男さんの画面と同様になりました。
高橋優子さんの画面です。
こちらも鈴木一男さん、佐藤睦月さんの画面と同様になりました。
6.5.1つのファイルを共有して同時に編集できる人数
1つのファイルを共有して同時に編集できる最大の人数は、100人です。
100人を超えると、オーナーと一部の編集者のみが、同時に編集できます。
100人を超えた人々全員で共同編集を行いたい場合は、ファイルを公開して共有する方法を取ります。
これについては、また、別の機会にご紹介できればと考えています。
7.フォルダの共有
フォルダも共有できます。
フォルダごと共有すれば、まとめて多くのファイルを共有できます。
ちなみに、共有したフォルダの下に、別にそれ独自に共有したファイルがある場合は、そのファイルの共有は、独自に共有した内容になります。
8.最後に
Googleのファイルとフォルダの共有は、とても便利です。
なぜなら、Googleドライブの利用は基本的に無料であり、特に、編集の権限を持つ複数の人々が同時に1つのファイルにアクセスして編集ができるのは、画期的です。
コメントをチャットのように利用しながらインターネット上で一緒に作業をすれば、離れた場所で作業をしていても、共同作業が簡単に実現できます。
皆様も、是非、利用してみてはいかがでしょうか。
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