Scratch 3.0で、言葉や文章を、音声にする方法を説明します。
【目次】
1.音声合成とは
2.Scratch 3.0の拡張機能[音声合成]カテゴリー
2.1.[〇としゃべる]ブロック
2.2.[声を●にする]ブロック
2.3.[言語を●にする]ブロック
3.まとめ(例)
1.音声合成とは
はじめに、”音声合成”の定義を確認します。 以下は、Wikipediaの”音声合成”の定義の抜粋です。
「音声合成(おんせいごうせい、英: speech synthesis)とは、人間の音声を人工的に作り出すことである。音声情報処理の一分野。音声合成器により合成された音声を合成音声(ごうせいおんせい)と呼ぶ。典型的にはテキスト(文章)を音声に変換できることから、しばしばテキスト音声合成またはText-To-Speech (TTS)とも呼ばれる。」
Scratch 3.0 では、Amazon Web Servicesの協力のもと、拡張機能[音声合成]カテゴリーに、音声合成を行うためのブロック3つが用意されています。
2.Scratch 3.0の拡張機能[音声合成]カテゴリー
Scratch 3.0で、プログラムを作るには、次のように操作を行います。
(1)Scratch 3.0のエディターを起動する
(以下は、オンラインエディターの起動方法)
・ブラウザを起動する
・Scratchコミュニティーサイト http://scratch.mit.eduを表示する
・[作る]メニュー、または、[作ってみよう]ボタンをクリックする
・表示された[チュートリアル]は、その右上角の[閉じる]をクリックして閉じる
(2)拡張機能[音声合成]カテゴリーをブロックパレットに入れる
・[拡張機能を追加]ボタンをクリックする
([拡張機能を追加]ボタンは、画面左下の青い四角形に白抜きのブロック2つが入ったボタン)
・表示された[拡張機能を選ぶ]ページの[音声合成]の領域の上でクリックする
すると、拡張機能[音声合成]カテゴリーのブロックが、ブロックパレットに挿入されます。
(3)プログラミング
・話させる言葉を設定する
・声の種類を選ぶ(省略可:デフォルトはアルト・・・女性の低くめの声・・・)
・言語の種類を選ぶ(省略可:デフォルトは Scratch 3.0選択されている言語)
2.1.[〇としゃべる]ブロック
Scratch 3.0の拡張機能[音声合成]カテゴリーにある、 人工音声に話させる言葉を設定するためのブロックは、 [〇としゃべる]ブロックです。
[〇としゃべる]ブロックは、話させたい言葉の文字列を値に持つブロックを〇にはめるか、直接その文字列を〇に入力して、使用します。
なお、[〇としゃべる]ブロックの〇の文字列が日本語ならば、[言語を●にする]ブロックの●でも日本語を選択します。
[〇としゃべる]ブロックの〇の文字列の言語と、[言語を●にする]ブロックの●で選択する言語を同じものにする必要があります。
2.2.[声を●にする]ブロック
Scratch 3.0の拡張機能[音声合成]カテゴリーにある、 人工音声の声の種類を選択して設定するためのブロックは、 [声を●にする]ブロックです。
[声を●にする]ブロックは、●をクリックして表示される人工音声の声の種類から1つをクリックで選択して、使用します。
声の種類は、次の5種類から選択できます。
・アルト
・テノール
・ねずみ
・巨人
・子猫
なお、子猫を選択した場合のみ、どんな言葉を話させようとしても「ミャオ」としか言いません。
このとき発話される「ミャオ」の数は、[〇としゃべる]ブロックの〇の中の文字列のワードの数です。
ここで言うワードの数とは、スペースで区切られた個数です。
例えば、[声を●にする]ブロックの●が子猫の場合、「おはよう ございます」の「う」と「ご」の間にスペースが入って区切られていると、ワード数は2なので、「ミャオ ミャオ」と発話します。
2.3.[言語を●にする]ブロック
Scratch 3.0の拡張機能[音声合成]カテゴリーにある、 人工音声が話す言語を選択して設定するためのブロックは、 [言語を●にする]ブロックです。
[言語を●にする]ブロックは、●をクリックして表示される人工音声の言語の種類から1つをクリックで選択して、使用します。
人工音声の言語は、次の23種類から選択できます。
・アラビア語
・中国語(標準語)
・デンマーク語
・オランダ語
・英語
・フランス語
・ドイツ語
・ヒンディー語
・アイスランド語
・イタリア語
・日本語
・韓国語
・ノルウェー語
・ポーランド語
・ポルトガル語(ブラジル)
・ポルトガル語
・ルーマニア語
・ロシア語
・スペイン語
・スペイン語(ラテンアメリカ)
・スウェーデン語
・トルコ語
・ウェールズ語
3.まとめ(例)
以下でお見せする例は、次のようなプログラムです。
緑の旗をクリックして実行すると、ねこのスプライトに言わせたい文字列を入力させる場面が出てくるので、ユーザーはそこで日本語で好きな文字列を入力します。
入力された日本語の文字列を、ねこのスプライトから吹き出しを出してその中に表示するのと同時に、テノールの人工音声で、日本語で発話します。
緑の旗をクリックすると、
入力を促されるので、話させたい言葉を入力します。
上図では「いい天気だね。」と入力しています。
エンターキーを押して、入力を確定します。
吹き出しの中に「いい天気だね。」が表示され、テノールの人工音声で「いい天気だね。」が聞こえてきます。
次のURL https://scratch.mit.edu/projects/418522864のScratch コミュニティーサイトに、上記のプログラムを共有しましたので、よかったらご覧ください。
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